コミュニティバスの運行委託先の選定はどのようにすれば良いですか?

コミュニティバスの運行委託先を決めるにはどんなやり方をすればいいんだろう?

価格だけではなく総合的に判断しましょう

コミュニティバス運行事業者の選定

 自治体がコミュニティバスを運行する場合、バス事業者への委託が困難な場合を除けば、バス事業者やタクシー事業者に運行を委託することになりますので、事業者選定が必要となります。

 事業者選定の方法には、運行にかかる費用で事業者を決める競争入札と、価格に加えて事業者からの提案を総合的に判断するプロポーザル方式の2つに大別できますが、価格だけでなく安全性や接客サービスなども含めて選定できるプロポーザル方式が望ましいでしょう。

競争入札が望ましくない理由

 競争入札による事業者選定を行った結果、問題が起きた例がいくつかあります。

事業者夜逃げ事件

 あるタクシー事業者が自治体のコミュニティバスの入札に参加しました。この事業者は本業のタクシーの経営状況が芳しくなく、安くても安定した収入を得るために、かなり安い価格でコミュニティバスの運行を落札しました。ところが、十分な収入を得ることができないまま無理をし続けた結果、経営に行き詰まり、経営者がある日突然夜逃げをしてしまいました。このため、翌朝からのバス運行ができなくなり、急遽、自治体が公用車を走らせて利用者を送迎する事態となりました。

 自治体が事業者の経営状況を普段から把握していたら、あるいは、事業者が必要な費用を得られるだけの価格で落札していたらこの事態は防げたかもしれません。

そして誰もいなくなった事件

 ある自治体では、2つの事業者がテリトリー争いをしており、ある時期までコミュニティバスの落札を巡って激しい価格競争を行っていました。入札の度に、いずれの事業者も採算度外視で前回よりも安い金額で入札を行い、十分な利潤を確保できる価格を割り込んで受託する状況が続いていました。事業者に体力があるうちはこれで良かったのですが、徐々に事業者も体力が落ち、やがていずれの会社も入札に応じなくなってしまうという状況になってしまいました。

 一時的には安い価格でコミュニティバスを運行できたものの、継続することができなくなってしまったのです。

問題が起きた理由

 この2つの例は、運行委託費を安く抑えるという観点で事業者を選定してきた結果生じたものです。運行委託費が安い場合、短期的には財政負担が抑えられますが、中長期的に見ると事業者の経営に悪影響を与えたり、応札事業者がいなくなったりするといった問題が生じることもありますから、安全で継続した運行が実現出来るような事業者選定の仕組みが必要です。

プロポーザル方式の利点

 プロポーザル方式では、価格以外の安全性や接客サービスなどの要素を加味して事業者を特定できるため、「安かろう・悪かろう」の事業者を排除できるメリットがあります。そのためには,事業者からの提案を評価する要素や配点について十分に検討して、提案内容を評価する必要があります.

 採点の際に価格が占める割合が大きければ、プロポーザル方式であっても、競争入札と同じ結果となってしまいますので注意しましょう。

参考資料

国土交通省:コミュニティバスの導入に関するガイドライン

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