QRコード、貼るだけで満足していませんか? ~QRコード利用時の効果測定~

担当:諸星賢治(合同会社MoDip)

色々な配布物や掲示物にWebサイトへリンクするQRコードを付けたのですが、効果があるかわからなくて。。。

Googleアナリティクスを活用すれば、お金をかけずにQRコード経由でWebサイトにアクセスしてきた訪問者数を確認できますよ! でもその前に…利用者にとって「見やすい位置」「見やすい大きさ」でQRコードを掲示していますか?

はじめに

 まずはじめに皆さんにお伺いします。この1ヶ月に街なかで
 ・QRコードをスマートフォンで何回読み取りましたか?
 ・QRコードをスマートフォンで読み取っている人を見かけましたか?

 私は屋内で1件、屋外で0件でした。皆さんはいかがでしょうか?

 最近では駅や電車やバスの車内、停留所の時刻表など、色々な場所でQRコードを見かけるようになりました。QRコードは一見、利用者のスマートフォンとWebサイトを繋ぐ有効な手段にも見えますが、そのアクセス数を効果測定してみると、思ったよりもQRコード経由でWebサイトへのアクセスが行われていなかった事に気付かされます。
 今回の記事では、この効果測定の方法と、QRコード設置時の注意事項などを共有したいと思います。

QRコード経由でWebサイトにアクセスしてきた数を把握するためには?

 大掛かりなシステムや有償サービスを利用する必要はありません。これを実現するためには「1.Googleアナリティクスの導入」と、「2.QRコード作成時の工夫」が必要となります。どちらも基本的に費用はかかりませんので是非お試しください。

1.Googleアナリティクスの導入

 「Googleアナリティクス」は、Googleが提供するアクセス解析ツールです。Webサイトを訪れたユーザーの「訪問回数」や「滞在時間」などの情報の他、「どのような方法でWebサイトに訪問してきたか?」などユーザーの行動に関する情報が取得できます。ただし「誰が訪問してきたか」などの個人を特定する情報は取得できませんのでご注意ください。

Googleアナリティクス導入方法

 導入方法は簡単で、Googleアカウントがあれば今すぐにでも利用が可能です。
 ※詳細な手順を知りたい方はコチラも参考にしてみてください

  • Googleアナリティクスのアカウントを作成
  • Googleアナリティクス管理画面にてトラッキングIDを確認

Googleアナリティクス管理画面にて確認できるトラッキングID

  • トラッキングIDをWebサイトに設置
    (Webサイトに設置する方法は、WordpressなどのCMSツールを使っている場合には、その設定画面にて指定できることが多い。CMSツールを導入していない場合には直接HTMLに記述すればOK)


トラッキングIDを設置したトリセツのWordpress設定画面

  • 管理画面から、情報を閲覧

Googleアナリティクスで取得可能な情報の例

2.効果測定を可能にするQRコードの作成

 QRコードを生成する時に多くの方は、リンク先のURLをQRコードが生成できるWebサービスなどでQRコード画像に変換していると思います。そのURLにちょっとした工夫を行なうことで、そのQRコードを利用してWebページにアクセスしてきたユーザーの行動を把握することが可能になります。手順は以下の通りとなります。

QRコードの作成方法
  • こちらのWebページで、効果測定可能なURLを発行します。
    ※効果測定したい場所単位ないしは、イベント等の単位でURLを用意する必要があリます。
  • 生成したURLをQRコードに変換します。
  • QRコードを配布物や掲示物に貼り付けます。

QRコード設置時の注意点

 ここまで来ると効果測定が可能なQRコードは皆さん作成出来るようになったと思います。しかしながら作成したQRコードを配布物や掲示物に貼り付けただけではWebページのアクセス数を著しく増やすことが難しいです。その理由と対策を利用者視点で考えてみましょう。

物理的な条件

  • QRコードの設置位置① ~目線の近くに貼ろう!~

 バスの停留所などで、時刻表が貼ってない足元に近い空間に追加で掲示物を設置し、そこにQRコードを貼っている事例をたまに見かけます。足元に近い位置にスマートフォンのカメラを近づけQRコードを読み取るのは大変困難で、読み取るのを諦める人も多いと思います。また、QRコードが設置されていること自体に気付かれない場合もあります。
 QRコードは、目に止まりやすくスマートフォンで読み取りやすい位置に設置するよう心がけましょう。

  • QRコードの設置位置② ~立ち止まりやすい位置に貼ろう~

 電車の中や人通りが多い通路に設置するポスターなどにQRコードを設置しても、利用者は人目を気にしてなかなか読み取ってはくれません。QRコードを読み取るためには、スマートフォンの動作に慣れている人でも最低3秒程度の時間はかかります。
 ポスターの設置位置周辺の状況を事前に想定し、QRコードの設置がWebサイトへの誘導手段として適切か検討しましょう。

  • QRコードの大きさ ~小さすぎたら誰も気づかない!~

 小さなQRコードは存在に気付きにくく、またカメラのピントも調節しにくいです。なるべく大きい画像を掲載するようにしましょう。

  • QRコードの汚れ ~QRコードを貼る場所はキレイに!~

 QRコード自体や、QRコードを設置している掲示物の外側にあるケースに汚れが付着していると、カメラで読み取るのは困難です。設置時に注意をするとともに、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

適切なリンク先の設定

  • QRコードのリンク先

 QRコードを読み取ったら、自分が想像していたWebページとは違うところに誘導され、そこから欲しい情報を見つけるまで時間がかかってしまうケースがあります。このような経験を利用者が何度かすると「QRコード=欲しい情報まで誘導してくれないツール」という意識が刷り込まれます。
 QRコードでは利用者が見たい情報をリンク先に設定するように心がけるとともに、QRコード画像の近くに「QRコードを読み取ったあとに何が表示されるか」を文字などでも事前に伝え、読み取ってもらえるような工夫をしましょう。

QRコードから見たい情報になかなか到達できないユーザーの行動例

QRコードを読み取るための工夫がされた掲示物の事例
タリーズコーヒーのキャンペーンの事例

さいごに

 今年8月に熊本で開催された「第16回JCOMM熊本大会」にて、公共交通トリセツの日頃の活動をポスターにまとめて発表を行ってきました。ポスターの右下にQRコードを設置してみましたが、2日間の掲示期間中にこのQRコードを利用してWebページにアクセスした方は0人でした。現地会場の位置なども考慮して、QRコードの表示位置を工夫すれば良かったと編集会議メンバーで後日反省いたしました。

 この失敗を皆さんに伝えたかったのが今回の記事を書く動機付けとなりました。

参考

※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です
https://www.qrcode.com/faq.html#patentH2Title

※「GoogleアナリティクスでQRコードの効果測定をしよう!」
https://wacul-ai.com/blog/access-analysis/google-analytics-method/analytics-qr-cord/

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