あるバス営業所の1日

担当:水野羊平(永井運輸株式会社)

行政
行政

 事業者さんとコミュニケーションを取れといわれるのですが、そもそも事業者さんがどのように仕事をしているのかすら分かりません。

天の声
天の声

 毎日決まった路線、決まった時間にやってくる路線バス、乗務員さんはいつ出勤しているの?、携わる事務員さんはどんな仕事をしているの?、あるバス会社に密着してみたいと思います。

早朝出勤・乗務前点呼の実施

 バスの乗務員さんよりも先に出勤する人がいます。それは「営業所」を管轄する運行管理者さん。まず乗務員さんよりも先に建物の鍵開け、照明を灯し準備を整え、乗務員さんの出勤を待ちます。

 乗務員さんが出勤して、最初にすることは「乗務前点呼(旅客自動車運送事業運輸規則第24条)」の実施です。

  • 出勤して、病気はありませんか?
  • 発熱はないですか?
  • 十分に睡眠はとれていますか?、
  • お酒は残っていませんか?
  • 運転免許証は携行していますか?

 これらを毎日乗務する全員に聞き取りや報告、提示を求め、表情を確認、アルコールチェック器や体温測定器などを使い検査しています。ここで今日仕事をされる乗務員さんが健康で業務に問題が無いと判断されたら、乗務員さんは運行管理者さんからより車輌キーや携行品(スターフ・車輌点検報告用紙・乗務日報・旅客発売用バスカード等)を受け取り、今日一日乗務するバスが正しく動作するかどうか「運行前点検」を開始します。

 運行前点検実施項目に基づいて、乗務員さんが車輌を点検し、整備管理者さんから運行の可否を決定してもらいます。

 さらに、乗務員さんには、本日乗務担当する路線の注意事項や、事故防止のための「気をつける点」「本日の重点注意事項」を伝えます(安全運行上の必要な指示)。

 乗務員さんは健康、車輌も健康、注意事項を確認、「本日一日よろしくお願いします。気をつけていってらっしゃい!」となり、初めて、バスを待っているみなさんのもとへ出発します。

バス乗務員さんのしごと(行路・日中の様子)

 乗務員さんは、あらかじめ決められた「乗務割」に従って乗務(出勤)します。事務員さんとは違い、何時から何時まで勤務だけでなく、「○路線を運行してください、何時何分の▲▲ゆきを乗務してください」など、あらかじめ運行計画として旅客のみなさんにお配りしている時刻表に合致するよう、乗務員さんの運行スケジュールを決めています。これを「仕業(しぎょう)、ダイヤ、行路(こうろ)、交番・勤務」などと呼び、各事業者さんやその地域でいろんな呼び方をしていますが、意味はすべて同じものです。

  例)1ダイヤ(○○団地線の運行)

    出勤:6:53
     営業所出庫 7:13→(回送)→団地
     団地 7:23発 → 駅 8:10着
     駅  8:23発 → 団地 9:08着
       …(この間省略)… 
     駅  17:33発 → 団地 18:20着
     団地→(回送)→営業所帰庫 18:30
    退勤:18:45

 このように、同一場所での同一労働ではないので、個人で出勤時刻や担当路線が違います。旅客のみなさんには車輌や乗務員の受け持ちはわからないですが、事業者では忘れ物などのお問い合わせにすぐ回答できるように、業務上どの車輌で誰が乗務しているか、照らし合わせてわかるようにしています。

 お客様を乗せての営業運行中は、あらかじめ運行計画で決められた運行経路のとおりに進め、運行時刻も運行計画で決められた運行時刻を決められた運行時刻より早く出発しないように次のバス停へ進めていきます。

 事故無く安全運転に努めて運行するのはもちろんですが、前方の交通状況をしっかり見るだけでなく、車内も安全であるかどうか確認し、次バス停の放送や運賃表示の切り替えは乗務員さんが手動で行っていますので、見えないところで案内操作も行っています。

 バスは終点に到着し、乗車したお客様の人数や始発出発時刻と到着時刻の記入を行い、次の運行に向けた準備をします。お客様が全て降車したか確認、忘れ物が無いかどうか、行先表示(方向幕)、放送、運賃表の設定、次出発時刻の確認などを行ったのち、休憩をとります。法令により運転時間4時間以内または4時間を経過したら30分以上の休憩が必要です。駅などの駐車スペースや、休憩所がある箇所での休憩、営業所に回送して休憩をとる場合など様々ですが、すべて指示により休憩をとっています。

 以上のように乗務員さんの就業時間は、厚生労働省が定める労働時間の基準に合致するように策定しています。

 営業所の運行管理者さんは、輸送の安全確保のための措置を講ずる中心的役割として、乗務員さんの指導・監督を含め、日々気持ちよく安全な運行に徹するための業務が法令で定められています。

 もちろん実際に日々ご利用のお客様から運行についての様々なお問い合わせにお答えし、運行する側、利用する側共々気持ちよく利用し運行が実現できるように日々努めています。

本日の乗務が全て終了、乗務後点呼の実施

 最終到着地に到着、旅客の無いことを確認し、「回送」表示にして、営業所(車庫)へ帰ります。

 運行管理者さんは乗務員さんの健康状態を聞き取りし、表情を確認、アルコールチェック器や体温測定器などを使い検査します。乗務員さんは自身の健康状態、車輌の状況、道路等の状況、運行状況について事務所に報告します。運行を交代する場合は、交代運転者へ引き継ぎを行い、引き継ぎしたことを報告します。

 乗務後点呼と同時に、金庫に入っている売上金やバスカード売上を提出し、本日の売上の精算を行います。

 翌日に備え車内清掃、多く汚れた場合は洗車をして車庫へ格納。今日も一日安全運行おつかれさまでした。また明日お仕事よろしくお願いします。

 と、このようにバス乗務員さんの1日が終わります。事務員さんは本日出勤の乗務員さんとバスが全て帰庫したことを確認できたら、施設の戸締まりをし、事務員さんも帰路につきます。

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